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一周年を迎えました

KAPUKIは本日3月28日で一周年を迎えました。
これもひとえに皆様のご愛顧とご支援によるものと心より深く感謝しております。
お付き合いいただいている和装業界の方々にも、知識の少ない私たちを受け入れていただき、私たちのVISIONを応援してくださるまでに至り、つくづく一歩を踏み出して良かったと感じる今日この頃です。 また、この一年間KAPUKIをご支持していただいた多くのお客様がいらっしゃることで、KAPUKIの表現が成り立っていることを常に心に留めています。これからも、さらに着物の素晴らしさが皆様に響くよう、さらなる挑戦を続けていく気持ちでいっぱいです。

思えば311のあった2011年の今頃、満開の桜の中、夜の目黒川沿いを歩きました。
あの時は、日本全体が自粛ムードで、誰もが心から桜の開花を喜ぶ気持ちになれない部分もあったように思えます。 それでも、満開の桜の下は20代の若者たちで賑わっていました。 大人たちの多くは自粛していたのに、若者たちは満開の桜の「今」を謳歌していたのです。
この世代にとっては、この311という出来事を乗り越え、自ら人生を盛り上げていくしかない、そんなパワーが伝わってきました。 その時、自分は若いこの世代に対して、何か日本の誇りになるような事をカタチにして表現していくことが必要なのでは、と考えました。

震災によって自然が教えてくれたことを、自分たちなりに消化して、東北の人たちのためにも、この国をより良い方向へ持っていく。今でも多くの人の心が、そこから離れていないと感じています。それどころか、日本は変わり始めていると思うのです。 そこには、もはや勝ち組も負け組もない、自分が人のために何が出来るか?そんなムードでいっぱいのように見えます。 ある意味でこのことは、この国の価値観の回帰が始まっているように思うのです。
明治以降、さらに戦後、欧米によってデフォルトされた日本は、経済成長と共に多くのものを手にしてきました。同時に人間として大切なことを見失ってきました。アメリカのように、大量生産大量消費から始まった国に比べ、この国には「江戸」という回帰すべき素晴らしい都市の価値観があります。回帰すべき価値観を持つ国は、世界的に見ても貴重だと思います。 人がお金よりも、生きる面白さを優先できた時代、そんな時代が確かに「江戸」にはあったのです。

KAPUKIは「江戸の続き」をテーマに一年前に開店しました。
私たちは着物を通じて、欧米的でない、われわれの先祖が作ってきた江戸以前の価値観を皆様に伝えていきたいと考えています。 これからもドキドキワクワクする格好良い着物を、多くの方の協力をいただきながら提案していこうと思っています。 そして次の世代に、日本の面白さ、技の凄さ、美意識の高さ、粋という価値観を伝えていきたいと思います。

今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申しあげます。

腰塚光晃